決めかねる

ダイソーで買ったパンダ柄のノートに書いておくようなことを書きます。すごくタイポが多いです。

プルンギルがめちゃくちゃ面白かった

ネットで気軽に読めるようになる前、両国の雰囲気や言語の壁を超えてなお日本で出版される韓国人漫画家の漫画を読むのが好きでビームでやってた「アイランド」モーニングでやってた「李さん家の物語」やサンデーの別冊でやってた「新暗行御使」

アイランド (1) (Beam comix)

アイランド (1) (Beam comix)

を読んでいました。元々コミティアに行ってオリジナル漫画の同人誌を読んでは友人達とこの人そのうちプロデビューするわ、なんていう甲子園好きを拗らせて地方の県大会を見に行くオッサンみたいな事をしていたので稚拙さはあんまり気になりませんでした。

そういう意味で鉱脈でしたし日本よりマッチョな雰囲気で日本のものが好きだと眉をしかめられるような状況でそれでもなお漫画を描いていた人たちに興味があったから、お金を出して読むことで味方をしたかったからです。

そこに満を持して

Dr.STONE 11 (ジャンプコミックス)

Dr.STONE 11 (ジャンプコミックス)

がやってきて隔世の感がありました。(Dr.STONEの前にboichiちゃん白竜やミナミの帝王が好きなんだろうなと思わされる現実の社会問題と完全にリンクしたサンケンロックという韓国のヤクザ漫画があったんですけどね)

プルンギルはKindle版もなく再版もされず古本で買うしかありませんでした。作品がどう素晴らしいかは上に貼り付けた私がプルンギルを読むきっかけになった記事を読んでいただくとして周辺の難しさと哀しさはこれだよなあ、と強く感じた事を書き留めておきます。

ウォーラーステイン世界システム論と言うのがありましてがくせえとかいう生き物だった頃に読んで衝撃を受けました。

世界システム論(せかいシステムろん)とは - コトバンク

プルンギルにおいて韓国から見ると中心はソウル、半周辺は光州、周辺は中央アジアです。日本から見ると中心は東京、半周辺は日本海側某県、周辺はソウルです。何度も何度も大きな円と小さな円が重なり合っていく。

周辺は中心の事をよく知っていても中心は周辺に対して無関心で搾取や忘却の対象でしかない。

無関心かつ忘却の対象となった時にキレた人間は注目される為ならどんな事でもやります。ミュンヘン五輪のアレとか…。逆にそこから脱却するために真っ当な努力をした人は大体、讃えられず目障りなお前らのことなんか忘れ去りてえなあ、という態度を中央から取られ続けます。

プルンギルはこの辺の難しさと哀しさ、そしてそれでも良き人間であろうとする素晴らしさが表現された読み継がれるべき作品だと思いました。Kindleでいいから再版されないかな。作者に投げ銭したい。

プルンギル 1―青の道 (BUNCH COMICS)

プルンギル 1―青の道 (BUNCH COMICS)